ブラスがあればマイナスもあるわけで、マイナスドライバーのお話です。かつて、プラスネジが発明される以前は多くの場所でマイナスネジが使われてきました。戦前の車など、物凄く古い車や機械はマイナスネジだらけです(扱ったことはありませんがね…)。
マイナスねじは、そのトルク管理の難しさと作業性の悪さから、徐々にプラスネジにその役割を譲ってきた。しかし、腕時計のムーブメントのように、大きなトルクで締める必要がなく、ネジの頭の厚さを極力薄くしたい場所などでは、未だによく使われています。
バイクや車にはほとんど使われなくなったマイナスネジですが、マイナスドライバーはプラスドライバーと同じくらいの数が工具箱に入ってます。古いバイクを扱うことの多い私の仕事の中で、キャブレターの整備は日常的。そこは、最もマイナスドライバーが必要とされるところ。ジェットを外したりワニスを削ったりするのに、主に小さなサイズのマイナスドライバーが複数必要になります。
3番以上の大きなマイナスドライバーの役割は、主に打撃系。ネジを回すのではなく、ハンマーで叩いて固着したネジを緩めたり、壊すのに使います。そのため、大きなマイナスドライバーの先端はボロボロで、交換も頻繁になります。まあ、取っ手付きのタガネのような感じですね。
最近の車やバイクは、ドライバーを使って整備することはあまりなくなりましたが、私の仕事ではまだまだ使いそうです。