昨年末に購入したTEACのカセットデッキ、6030S。当然中古であるが、大手リサイクルショップで購入した。保証付きの完動品で、諭吉さん2枚で、少しお釣りがくるくらいだったと思う。それでもTEACのデッキは、同じレベルのS社の物に比べても、かなりお安い。TEACらしい品のないデザインも、購入を決めた理由の一つ。購入した当初は調子が良く、最低レベルのノーマルテープでもなかなかの音で録音できて、「カセットデッキも最後はこんなに高性能になっていたのか…」とオーディオから離れていた年月の長さを感じていた。
しかし、そのあと録音時に違和感を感じるようになり、程なくして、これは何かおかしいという結論に至っていた。録音レベルも安定しないしワウフラッターが出ているような感じもする。加えて、音が曇ったように録音されるのだ。もちろん、清掃や消磁などは定期的に行っている。とは言っても、レコードばかり聞いていて、あまりカセットは使わないので、別段困ってもいなかった。その後も自分でできることは全てやってみたが、改善の見込みはなかった。
ここまでで、問題が発生してから半年以上が経過している。さて、どうしたものか?ベルト類ならネットで購入することができるので、自分で作業するのも面白いかもしれない。しかし、最晩年の電子制御満載のカセットデッキを自分で開けてみるのには、いささか抵抗がある。つまり、まだ自信がない。そう言えば、TEACはサービスがまだ稼働しているとか、ネットで見た気がする。もしメーカーの修理が受けられるのであれば、今後もリファレンスデッキとして使うつもりでいるこの機種を、プロの手により初期化することができる。
ネットを探してみると、あるねえ。しかもサービスセンターは、職場から結構近い。なるほど、あそこか… と場所は思い当たる。さっそく電話して確認してみる。すると、私が所有している機種でも、条件がいくつかあるが受けてくれるという。ありがたい。その条件の1つは、一部のモーターに欠品があり、そこが原因だと修理不能ということ。←そりゃしょうがないよね。もう1つは、見積もり後の修理になるが、直さない場合でも診断料がかかることである。←そんなの当たり前だ。喜んで依頼することにする。
せっかくなので、デッキをサービスセンターまで持ち込むことにした。場所は国道16号の圏央道入間インターの手前。しょっちゅう通ってるので、場所はわかっていた。というよりも、かつて、この工業地帯の一区画が全てTEACだった頃から知っている。今では、わずかにサービスセンターを残すのみらしい。電話での受付はとても丁寧で、詳細な地図と受付票を送っていただいた。
サービスでの受付も、受付票を記入して持って行ったので、スムーズだった。持ち込んだのは9月27日。29日には見積もりの電話があり、10月2日には完成の連絡、4日には手元に戻ってきた。修理品は自分で持ち込むか、元払いで送れば、完了後の送料は無料で送ってくれる(代引きの場合だけ手数料400円がかかる)。しかし、今回の修理はサービスの混み具合にもよるのだろうが、とても速かった!。
完了連絡をいただいた時、修理担当の方と少しお話し、音が曇ったようになるのはテープの種類との相性の問題もあるというお話も聞くことができた。できれば、音楽用のハイポジション以上のテープを使ってほしいとのこと。戻ってきたデッキをつなぎ、レコードから、ぼちぼちのテープに録音してみる。明らかに良くなっている。不調の主な原因は、モーターとベルト不良によるワウフラッターだったようだ。交換部品はベルト3本と、モーター1個とコンデンサー1個のみ。工賃込みで諭吉さん2枚で、少しお釣りがくるくらい。つまり、買った時と同じくらいかけたということ。それでも、古い製品でも修理を受けてくれるメーカーの姿勢には頭が下がる。金額など二の次の話である。
さて、件のテープとの相性であるが、どうもTDKのARとの相性はすこぶる悪いらしいことは判明した。同時モニターでソースと切り替えた時の音のこもり具合は半端ではない。さらに安いSONYのHFかな?「会話や音楽の録音に!」なんて書いてある節操のないテープの方が音が良い。まあ、ARもデッドストックの未開封だったのだが、もしかしたら何かが変質しているのかもしれない。そのうち別のカセットデッキが稼働したら確認してみようと思う。今は、安いテープでもご機嫌なのだ。
キカイとごはんと猫が好き。