SHURE V15typeⅢ試聴

少し前の投稿で、オーディオマニアの誰もが知っているMCカートリッジとして、DENONのDL-103関連の記事を書いた。では、MMカートリッジはどうだろうか。おそらく誰もが知ってる有名なMMカートリッジは、シュアーのV15シリーズであろう。V15の詳細は割愛するが、1964年から2005年まで販売された中で最も売れたのがこのTypeⅢで、今でも多くの個体が生き残っている。

私のチープなオーディオ趣味においては、このカートリッジを入手したのは1年ほど前のこと。JICOの針とP&Mの針が付属した中古の良品をオクにて購入。でも、すぐには使わずに、しまいっぱなしだった。そして最近、購入したTRIOのプレーヤーにもV15Ⅲが付いていたので、使ってみることにした次第だ。

TRIOのKP-7070に付いていたのは、V15TypeⅢの後期型で、スタイラスはS楕円針が付いた個体。S楕円針は中高域の解像度が高いとの評価であるが、純正の丸針や楕円針との比較はしていないので、よくわからない。よく聴いている盤に針を落としてみると、まとまりが良い音というのが第一印象。何枚かの盤を聴いていくと、少しずつ音が変わっていく。当たり前ではあるが、とてもバランスの良い優等生的なカートリッジのようだ。シュアーのカートリッジはM44Gしか使ったことはなかったので、あの雑で元気のいい音に比べると、少々拍子抜けである。

そこで、死蔵していたP&M製の交換針を試してみることにした。さすがに安い交換針なので、ノブも針カバーも真っ黒。取付ると、ボディーとの隙間がとても大きい。ここまでは想定内。音は純正とは比べるまでもなく、JICOの針にも劣るという評価を見たことがあるが…確かに最初に出てくる音は、正直ひどい。しかしそれは新品だからだと思う。経験上、どんなコンポーネントにもエージングは必要だ。P&Mの針は、針圧も1.5~2.5とかなり重めを要求してくる。1.5くらいだとダンパーも動かないようなので、2.0gにして何枚か盤を流す。

すると、どんどん音が変わっていく。針圧を重めにして、積極的にダンパーを動かすようにセットした方が良いみたいだ。正直、私にとってはかなり良い印象の音だ。まあ、私の耳などプラシーボの塊みたいなものなので、しばらくこの針を使ってみようと思う。