リコーがフィルムカメラ時代の終盤に発表したコンパクトカメラが、R1Sである。webから拾った情報によると、発売は1995年、定価は41,000円! けっこうお高いカメラだったのですね。
手元には、現在2台のR1Sがあるのですが、どちらもダメな子です。1台はかなりきれいで、近所のリサイクルショップで捨て値で売られていたもの。確か、1,000円以下。「何かあるな?」とは思いましたが、安さにつられて購入。結果、やっぱり何かあった!「液晶お亡くなりの巻き」でありました。他の機能は問題ないようだが、何しろこの手のカメラは、液晶に何も表示されないと、かなり具合が悪い。結局、フィルムも入れず、放置。
そして、懲りずに、新宿の中古カメラショップで、やはりジャンクな一台を購入。1号機よりもボロで、1,000円。やっぱり、液晶お亡くなり&他良好であった。
さて、これ以上放置カメラを追加するわけにはいかないので、重い腰を上げることにする。まずは、後から買った2号機を分解していく、分解手順は比較的容易であるが、今回は治るとも限らない分解なので、あえて手順は記載しない。もちろん、電子化されたフィルムカメラの専門的な知識があるわけではないので、バラしても、接点をチェックするくらいしかできない。そもそも接点なんかあるのか?
さて、このカメラ、きれいな「もなか」構造で、前後の筐体を外すと、「あんこ」にあたる中身がそのまま取り出せる。液晶部分は、基板の上に薄いスポンジを介して浮いている状態。電池も入れたまま分解できるので、メインSWの接点をドライバで短絡させれば電源が入る。液晶パネルを動かしてみると、角度によっては、表示が出るところもある。どうやら完全に断線はしていないようだ。しかし、液晶への信号はプリント配線(と言うのかな?)なので、接点は存在しない。
そこで、液晶が表示される角度にパネルを固定するために、パネルの下にスペーサー(カットした厚紙)を入れてみた。そのまま、慎重に筐体をあわせて組み立ててみる。結果、撮影に必要な情報は確認できるようになった。しかし、フィルムカウンター部の液晶は劣化しているらしく、角度を変えてようやく見えるくらいだが、正直、カウンターは必要ない。このカメラは、規定枚数を撮り終えれた時には、全てのフィルムはパトローネに収納されているからだ。
なんとか、使える目処がついたので、1号機の修理は後回しにして、フィルムを入れてみる。フィルム室を閉じると、やかましくモーターが回転し、全てのフィルムがパトローネから排出される。撮影したフィルムだけが、パトロ-ネに巻き取られ、保護されると言う寸法だ。実に合理的なシステムである。さてさて、写真を撮りにいく方の、重い腰も上げなければならないな…
キカイとごはんと猫が好き。