“Never For Ever” Kate Bush

ケイトブッシュの3枚目のアルバムである。自らプロデュースにも参加し、”ケイト節”が炸裂した最初のアルバムでもある。

古今東西見渡しても、女性アーティストでこれほどまでの一貫した世界観を持ってアルバムを作る人は稀だと思う。人を感動させる音楽にも色々あると思うが、ヒットチャートを賑わすだけの音楽とは対極にあるのが彼女のような「本物」のアーティストが創る音楽である。

海外アーティストのアルバムには、しっかりとしたコンセプトに基づいたソングライトと音づくりを伴った、いわゆるコンセプトアルバムというものが、多数存在する。アルバムを聴きながら、同時に歌詞を理解することができない私には、言葉として響いてくるわけではないのだが、アルバム全体を包む雰囲気はとても好ましい。

しかし、「魔物語」という邦題の付けられたこのアルバムではあるが、「魔」に関することなんてアルバムには含まれていないのは、私にだってわかる。ジャケットだけ見て邦題を決めるのは、ホントにやめてほしい。アーティストに失礼である。「物語」はいいとは思うが、それに連なるニホンゴは見つからない。「聞いて」、「感じる」アルバムである。

もちろん中古で手に入れたこのLPではあるが、コンディションはすこぶる良かったジャケットは少し汚れていたが、ライナーノートも入っており、内袋にはNAGAOKAの静電気防止グレードの物が使われていて、全オーナーが大切にしていたのがうかがえる。引き続き大事に保管し、次の世代に渡すのも私の仕事である。


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