“Don’t Cry Now ” LINDA RONSTADT

いわゆる「ジャケ買い」ではないが、あまりにキュートなジャケット写真に魅せられ、いつか欲しいと思っていた一枚だ。

あどけない表情は、あたかもファーストアルバムのそれを思わせるが、すでに4枚目のアルバムであり、御歳71歳の女性の「若い頃の写真」でもある。肝心の内容であるが、全体にカントリーに近いポピュラーアルバムで、彼女のバックグラウンドと交友関係を表す錚々たるアーティストが参加している。演奏には一流のアーティストが参加しているのだが、やはり特筆すべきは彼女の歌声である。録音技術は73年なりなのだが、ヴォーカルだけが、違う技術で録音されたかのようなみずみずしさで響いてくる。もちろんそんな技術など存在しないのだが、それほどまでに彼女の声は特別だ。彼女は、自ら作曲をせず、他のアーティストの曲や、スタンダードナンバーなどを歌う純粋なシンガーである。その歌唱力、表現力は私の知りえるアーティストの中ではナンバーワンである。そんな彼女も、近年パーキンソンを発症し、歌うことを断念せざるをえなくなってしまったということだ。しかし、彼女はまだ存命である。医学の進歩に期待したい。

ちなみにこのレコード、新規開拓した近所のリサイクル店で購入した。100円コーナーではなく、人気に応じて価格の差があるちょっとお高いコーナーにて、400円くらいだったかな?。このコーナーでも質の悪い盤がある中で、今回のレコードはとてもコンディションが良かった。実は他にも数枚リンダのレコードがあり、もう1枚買っている。おそらく同じユーザーからの買取品と思われ、きちんと保管されていたことが想像される良質盤だった。今日は残りの数枚も、サルベージしに行く予定だ。


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