1980年代前半、タコ(TACO)というアーティストの ”Puttin’ on the Ritz” という曲がヒットチャートを賑わしたことがあった。邦題が「踊るリッツの夜」という、当時流行りのシンセサウンドだった。なかなか楽しげな曲で、他の曲にも興味がわいたので、レコードレンタルで借りたことがあった。アルバムは、スタンダードの名曲のカバーとオリジナル曲が混在しているのだが、うまくアレンジでまとめられていて、違和感がなかった。今聞きなおしてみても、驚きの完成度である。この人、もともとは俳優らしい。どうりで、PVのセンスもいいわけだ。 Continue reading
Category Archives: LPレコード聴いてます!
キカイの館に設置されたアナログシステムで、レコードを聴いたり聞かなかったり!?
まあ、個人的な感想ですので、参考になるかどうかわかりませんが!
“DEEP V” THE BOOMTOWN RATS
ブームタウンラッツと言えば?、”I Don’t Like Mondays(哀愁のマンデイ)” !、と答えが返ってくる。まあ、私くらいの年齢の洋楽好きにとっては、それは当たり前の反応。あまりにもその印象が強いがために、とかく、一発屋と思われがちなラッツですが…「そうかもしれない!」と、このアルバムを聴いて思ってしまった。
3枚目のアルバムでブレイクしたラッツだが、その後の活動は精彩を欠くものだった。5枚目のこのアルバムを聴いても、ヒットチャートを賑わしそうな曲はなく、かといって玄人受けする曲があるわけでもない。ボブ・ゲルドフがチャリティー活動にばかり夢中になっていったから、と世間では言われている。それは定かではないが、ライブエイドや、USA FOR AFRICAを成功させた功績は大きい。(その後も膨大な数のチャリティーなどが行われていると思うが、かの国に何の変化もないように思えるのは、気のせいだと思いたい。)
そして何より、レコードの「音が悪い」。ミキシング段階で練れてないのか、カッティングが浅いのか、何しろレコードから出てくる音は悪い。まるで、ラジカセから流れてくるかのようなレンジの狭さ。自分のオーディオシステムが壊れてしまったかのようなひどい音に、思わず、アンプの各ボリュームを確認してしまった。いい曲であれば、音などあまり関係ないかもしれない。AMラジオから流れても、いい曲は人を魅了する。でも、ミキシング、カッティングは良いに越したことはない。アーティストが長い時間をかけて生み出した音楽を、きちんとした状態で、レコードに記録するのは大切なこと。誰のセンスが悪いのか、さぼったのか、知る由もない。そういえば、ライナーノートに「音質」の件が書かれているのは、見たことがないな。まあ、「音が悪い」とは表立って書けないとは思うが、日本語には「含ませる」という便利な機能がある。私には、音楽だけを純粋に判断するような、特別な耳は装備されてないこともあり、このアルバムは封印かな?。長年レコードを聴いてると、時折、こういった残念な盤に出会う。
“BIG WORLD” JOE JACKSON
ジョージャクソン、わが国での知名度は、限りなくゼロに近いアーティストではないだろうか?ありがちな名前であるゆえ、他のアーティストと混同されているかもしれない。ビジュアル的には、某ジェネシスのおっさんと見まがうばかりの後退っぷりだ。私としてはとても親近感を感じる風体の人物であるが、見た目重視の世界では、ちょっと分が悪い。音楽的には、様々なエッセンスをちりばめて、曲を作っていくのだが、決して破綻していない。いつもきちんとまとめ切ってしまう印象。歌はあまりうまくない。 Continue reading
” Nakid ” TALKING HEADS
いつものごとく、「その存在は知ってるけど、聴いてこなかったアーティスト」シリーズ、トーキングヘッズです。私の記憶にあって、唯一ヒットチャートで聞いたことがあるのが、「Burning Down The House」くらいのものだ。もとより、シングルヒットの少ないアーティストらしいので、当然と言えば当然か。しかし、その割には、知名度はかなり高いと思う。
このアルバム以外にも数枚のアルバムを聴いてみたが、どれも、ドラムとベースの塊が飛び出してくるような、厚みのある音だ。特徴的なデビッド・バーンのけだるいようなボーカルも、バンドの音に合っている。個人的には、とても好みな音作りだ。そういえば、トーキングヘッズを知るきっかけになったのは、バンド内の女性を中心にしたユニット” Tom Tom Club “の日本でのヒットだったと思う。確か、ヒットチャートでは、本家のはるか上を行く順位を獲得していたはずだ。「おしゃべり魔女」という曲名を聴けば、思い出される方も多いのではないだろうか。
バンド自体は、活動を休止して久しいが、メンバーは各方面で活動しているようである。耳に残るようなボーカリストを擁したバンドは、なかなか少ないので残念だ。
“ASIA” ASIA
“詠時感〜時へのロマン” という邦題の付いたこのアルバム、目にしたことのある人も多いことだろう。さらに言えば、「ジャケ買い」した人も多いはずだ。レコードジャケットはCDに比べサイズも大きく、アーティストやアルバムのイメージを表現する視覚ツールでもあった。そのため、アーティストたちはそのデザインにも力を入れていたものだ。このアルバムのジャケットは、ロジャーディーンという、イエスのジャケットなども担当していた高名なイラストレイターによるものだ。 Continue reading
“STREETLIFE SERENADE” BILLY JOEL
最近、まとめてビリージョエルのLPを買ったので、またビリーネタです。CDは持ってるけど…ってやつです。この年代の音楽は、全てLPでそろえておきたいので、まだまだ増えるでしょう。
というわけで、日本ではあまり知られていないビリーのアルバム、「ストリートライフセレナーデ」です。 Continue reading
“Lionel Richie “ ライオネルリッチー
音楽を、特に歌を愛するものにとって、彼、ライオネルリッチーの歌声はジェラシーでしかない。コモドアーズ時代のアルバムを聴いても、彼の歌のすばらしさは秀でていた。しかし、ソロになってから、自分の作った歌を自分で好きなように歌えるようになってからの楽曲は、更に洗練されたように思える。 Continue reading
”Piano Man” BILLY JOEL
洋楽をあまり知らない人でも、この人のことは誰でも知ってそうなアーティスト、ビリージョエル。彼の事実上のデビューアルバムとも言えるのが、この「ピアノマン」である。私がビリージョエルを知ったのは、その数年後の「グラスハウス」が発表された時だった。 Continue reading
”KOO KOO” Debbie Harry
“ENERGY”POINTER SISTERS
私が彼女たちの曲を知っているのは、後年の「スロウハンズ」だけであった。もちろん、名前だけは常に聞いてはいたが、シュープリームスやスリーディグリーズと混同していなかったかと問われれば、反論はできない。そんなわけで、とっても新鮮な気持ちで針を落とす。
聞こえてくるのは、なじみやすいリズムに乗ったきれいな歌声。ジャケット写真からすると、かなり初期のアルバムかと思い、調べてみると、3枚目のアルバムのようだ。後の「スロウハンド」のような大人のバラードに比べると、やはり若さが感じられる歌声ではあるが、決して薄っぺらい声ではなく、コーラスグループとして大成するであろう余力を感じる。もともとは、4姉妹で始まったグループであるが、このアルバムでは3人編成となっている。曲によってメインボーカルが代わるのだが、一人ひとりが一級品の歌唱力を備えている。こういうスタイルのグループは珍しいと思う。であるから、ボーカル好きの私にとっては、とても聞き応えのあるアルバムである。
このアルバムも、例によって大人買いした中の1枚であるが、かなりのカビが発生していた。しかし、クリーニングしてみると、ことのほか盤質は良く、再生回数の少ない盤のようだ。新しい内袋に入れて、良質盤コーナーに保管である。