“ASIA” ASIA

写真 2014-10-31 20 37 25“詠時感〜時へのロマン”  という邦題の付いたこのアルバム、目にしたことのある人も多いことだろう。さらに言えば、「ジャケ買い」した人も多いはずだ。レコードジャケットはCDに比べサイズも大きく、アーティストやアルバムのイメージを表現する視覚ツールでもあった。そのため、アーティストたちはそのデザインにも力を入れていたものだ。このアルバムのジャケットは、ロジャーディーンという、イエスのジャケットなども担当していた高名なイラストレイターによるものだ。このエイジアのファーストアルバムの、日本でのセールスも、このジャケットと邦題のコピーによるところも大きかったと推察される。このエイジアのメンバーが、当時のプログレッシブロックの重鎮たちであることを知っていた人は、いったいどれだけいたのだろうか?

当時は、あまりにもラジオなどでパワープレイされ、しかもアルバムも買ってしまったので、正直、飽きて聞かなくなっていた。今、改めてアルバムを聞くと、その独特な音造りと完成度に新鮮味さえ覚える。ドラムスとキーボードを前面に押し出したサウンドと不思議な声のジョンウェットンのヴォーカルを、小さなホールで演奏したかのようなミキシングでまとめている。この方向性は後のアルバムにも引き継がれ、ASIAの音として確立されている。

残念ながら、バンドはメンバー交代を繰り返しながら、自然消滅的に活動を休止している。


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