DENON DRR-7.5L 修理~遠方よりの依頼~

以前ヤフオクにて、DENONのカセットデッキ、DRR-M10を出品したことがあった。不動品を修理したものであったが、修理の結果はいまひとつ。ちょっと動作にクセが残っていたので、格安ジャンクにて出品した。コツをつかめば普通に使えるからだ。それを落札していただいたのが、宮城県にお住いの人生の大先輩。クセのある商品だったので、説明のため取引連絡で数回のやり取りをしていた。オーディオについて色々聞かれることも多く、その都度、できうる限りの説明はしてきた。そんなやり取りもあり、無事商品を納品したあともしばらくやり取りは続いていた。おそらく年齢は20年ほど上と思われる御人であったが、とても楽しいやり取りであった。

その後1年ほどたってから、久しぶりにその方から連絡があった。その時のデッキは不注意で壊してしまったのだが、別のデッキを直してほしいとの依頼であった。もちろん喜んでお受けする旨を伝えると、さっそく送られてきたのがこのデッキである。DRR-7.5Lは落札してもらったM10に比べると、ワンランク上の性能を持ったデッキである。故障の症状は、録音再生において音が歪むというもの。この症状はキャプスタンベルトの伸びで、ほぼ間違いないであろう。

開腹して確認すると、まさにその状態だったので、ちょうど手持ちであったベルトと交換した。ローディング不良もあるとのことだったのでベルト交換やリーフスイッチの接点修理などを施し、お決まりの調整をしてから録再のテスト。途中、モードボタンの効きが悪いことがあったので、タクトスイッチも全交換。うまく動作するようになったので、修理状況の写真と、テストに使った新品テープを添えて送り返した。

早々に到着の連絡をいただき、無事に稼働しているようで安心した。古いデッキの修理は楽しくもあるが、継続使用に関しては不安もある。お近くの方なら細かいフォローもたやすいのだが、何しろ遠いのでいちいち配送を手配しなければならない。

オクなどではまともに動くデッキの出品はほとんどないと言ってよく、かく言う私も稼働品であってもジャンクとして出品することが多い。商品説明や出品履歴から、落札者の方に判断していただくというスタンスだ。ジャンクという説明に対しても、そうは言っても日本製品なので大丈夫だろうと簡単に思ってしまわれるのもちょっと困る。少なくても説明文は何度も読んでもらいたいところだ。まだまだ未熟ではあるけれど、寿命を迎えたデッキにあと少しの時間を与えるために、日々精進するのみだ。