現在、秩父の札所の2週目をだらだら巡礼している私であるが、もともと巡礼しようとしていたのは、関東一円に点在する「坂東三十三観音」の方だったりする。
まあ、特に意味もないのだけれど、30年ほど前に叔父と数か所の札所をまわったことがあり、いつかは自分の足で…という気があったとかなかったとか?ともかく秩父を始めた時から、終わったら坂東をまわるつもりでいた。しかしなかなか重い腰が上がらず、数年が経過していたというわけだ。
そして、昨年2020年12月、学生時代の友人と、母校のある水道橋で会う約束をした。どうせ都内に行くのなら…と、ふと思い立ち、その日を発願とし、坂東33観音巡礼を始めることとした。というわけで、都内唯一にして最大の難所(私的にはね)浅草寺からスタートとなった。なぜ難所なのか?。要はものすごく人が多く、私的に大嫌いな環境にその寺社があるからなのだ。
そもそも浅草って、電車だとどうやって行くのだ?。私の場合は、そこからスタートとなる。普段車で移動しているので、仕事で浅草寺の前はよく通っている。しかし、私の札所巡礼は、車で寺社まで直接赴くのはNGとしている。全て自分の足で…というわけにはいかないが、できるだけ車か公共交通機関と自転車、徒歩を組み合わせ、やむをえない場合のみバイクOK。これを巡礼にあたっての縛りとしている。
家を出る前にちょっと調べると、浅草寺の最寄り駅は浅草駅か…そこまで電車で行くのは芸がないので、秋葉原から歩くことにした。ちょっとアキバで買いたいものもあるし。
秋葉原駅到着。まずは買い物をする。それは電池、LR44×2、フィルムカメラ用である。坂東札所を巡礼するにあたっての、もう一つの縛り。それは、必ずフィルムカメラを持っていき、何枚か撮影するということ。もちろんデジタルでも撮るのだが、失敗するのもまた楽しいし、味のある写真も残したいからだ。
さて、てくてく浅草まで歩く。途中なんだか有名そうなラーメンを食べた。後から調べたら、この店だったみたい。意外においしかった。更に歩いて、もうすぐ浅草寺、神谷バーの前を通過する。仲見世通りは人が多そうなので回避し、花屋敷の方から入ることにする。
そうだ、カメラに電池を入れよう。アキバで買った電池を取り出す。パッケージを開けようとすると… 開かない!。最近のパッケージは、子供の誤飲防止用に超絶強固な密閉構造となっているのを忘れていた。こんな時に限って、何の道具も持ち合わせていない。素手ではもちろん無理だし、歯でかじっても無駄だった。辺りを見渡すと、100円ショップが…。それしかないか…と、はさみを購入。ようやく撮影準備が整った。
浅草寺はとても広い境内を有しており、入り口も何か所もある。私は五重の塔の裏あたりから境内に入っていく。
あ、あれ?今日は浅草寺休みか?。そんなアホなことはないと思うが、境内には、ぽつりぽつりとしか人がいない。雷門の前も…人が疎らだ。なるほど、コロナ禍では、浅草寺といえどもこんなにガラガラになるのか…。私にとっては好都合だけど。
さて、本堂でお参りをして、納経所のある影向堂(ようごうどう)に向かう。影向堂では、坂東の納経所と、七福神めぐりの大黒天の御朱印、普通の?御朱印の受付となっている。窓口で、坂東の発願である旨を伝え、納経帳を購入し志納料をお納めする。
これでようやく、坂東33観音の巡礼が始まった。関東一円に散らばる札所はどんな所なのだろうか。ちょっと楽しみだ。
そうそう、件の銀塩カメラで撮影した写真はこちら。予想どうり酷い有様だが、これがまたいい。「失敗=味のある写真」だから!
キカイとごはんと猫が好き。