Victor QL-Y44F ようやく再起動

3年くらい前だろうか?近所のリサイクルショップでジャンクで売っていた、このプレーヤーを購入した。結構きれいで、純正MCカートリッジまでついてて、でも不動だった。状況としては、電源は入るが、クォーツロックのランプが常時点滅していて操作を受け付けない状態。簡単に直るだろうと思い中を見ると、盛大に液が漏れたコンデンサー発見。とりあえず交換したら直った(と思っていた)。しばらくは好調に使ってたが、1か月くらいで、買った時と同じ状態に気絶。もう一回中を見て、写真のトランジスタを叩くと復活することが判明。何とか2個とも同じものを発見し、購入。トランジスタを外してみると、パターンがはがれているところもある。ん?もしやここが原因? これでは電気が通らないので、切ったトランジスタの足でブリッジして、導通を復活させる。何とか2個とも交換した。外したトランジスタはテスタで当たると悪くない。おや?他に何か原因があるのか? とりあえず基盤を元に戻し、電源を入れると…

やっぱり直らない。他にも何かあるのか?知識もないのに場当たり的に部品を交換した結果がこれである。また最初からやり直しだ。基盤を外し、穴があくまでを眺める。どこかのハンダ割れだろうか?裏からハンダを見ても、おかしなところはない。基盤を叩いたり、押したりすると、時折復活する。やはりどこかの割れだろう。今度は表から、部品を触ってみる。実装されている部品だけでも50以上あり、ハンダは100か所以上はあるだろう。パターンをたどってつながっている所は、ハンダの山にテスタを当てて導通を見る。それを端から確認していく。怪しいところは先に再ハンダしていく。すると、あるダイオードのような部品を触ると一瞬復活するところがある。しかも根元が動いてるように見える。裏から見ながら部品を触ると、足が動いてやがる!こいつか!?

見た目にはきちんとハンダが載っているように見えるから、たちが悪い。ハンダを盛りなおし、基盤や部品を触っても、不具合は再現しなくなった。ようやく修理完了である。こんなやり方でも、何とか直ってほっとした。組み上げてレコードをかける。特に問題なく再生できる。電源も安定しているようだ。

このプレーヤーは、1986年の発売。最近よく使っていたテクニクスのプレイヤーよりずいぶん新しい機種だ。しかし、その造りは…やはりマツシタの作るものとはずいぶん違う。外見は高級感のある手のかかった仕上げである。しかし、中身の基盤や駆動機構を工業製品として比較すると、とても簡素にできているのがわかる。正直に言うと安っぽい。でもプレイヤーとしての音はとっても良い。しっとりとした、いい響きで再生するのだ。アームの動きなども実に洗練されている。SONYのバイオトレーサーに匹敵する滑らかさだ。見た目も音も良いキカイなので、しばらく使いながら、各部をきれいにしてい行くつもりである。


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