ヒルクライム佐久2016参加記

2016年9月10~11日、いよいよ2016年度ヒルクライムイベントの最終戦、「ヒルクライム佐久」が開催される。

昨年は、人生初の回収車搭乗という屈辱的な終わり方で幕を閉じたこのイベント、今年は自分なりにいろいろやったつもりだ。5月と8月の2回の試走、秩父での訓練、日々のちょっとした運動(笑)、体はいつになく好調(のはず)だ。そして自転車は、万難を排してカラクルで挑む!←むしろ、これが一番だめだとも言われる。

さて、昨年は前日に輪行サイクリングなどして、ない体力をいたずらに削っていたわけだが、今年は車で現地まで向かうことにした。と言うのも、お気軽輪行バイクのカラクルであるが、ハンドル等を複数回変更したため、折り畳み時の安定性が著しく失われてしまったからなのだ。きちんと畳めない上に、折り畳むたびに傷が増えていくのは我慢できないので、このイベントが終わるまでは、折り畳み性能は封印である。

9月10日(土)は受付日であるので、13時以降に受付場所の佐久合同庁舎に行けばよい。それでも道路の混雑も予想されるので、6時には出発。意外に道は空いていて、オール下道で行っても、11時過ぎには佐久に到着。ヒルクライムコース以外に、気になっていた道を車にて下見などして、13時過ぎに受付完了。今回は、明日合流の友人、2人分の受け付けも併せて済ませた。

hy001受付が終わってしまうと、特にやることはない。ふつうこの手のイベントであれば、自転車関係の出展ブースの5つや6つは出ているものだ。と思い、視線を会場に移すと….?、あれ? あるねぇ、テントが、1個だけね! 出展してたのは、高性能ホイルやハブで有名なGOKISOさん。私には全く縁がない世界のお店ですが、とりあえず見に行ってみた。ハブのカットモデルなどが置いてあったが、その構造には驚かされるものの、やっぱり私には関係ない世界ですね。ブースの方もさみしそうで気の毒でした。

その様子を乗鞍の仲間にLINEで投げたら、「ほんとにレースやるの?」、「ドッキリなんじゃない?」と無責任なRES! まあ、参加人数も今年は全員来ても460人だからね。確か、去年は700人くらいだった気がするが? 去年もちょっと寂しい気がしたが、今年はゆるキャラの「佐久の鯉太郎」も、「ハイぶりっ子ちゃん」もいない。2回目でいきなりの、この手抜き感はやるせない。来年はやるのかな?

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写真は看板メニューの「とんちんめん」

そんなことを思いつつ、今日のお宿にチェックイン。おそらく、中込駅前最安値の清水屋旅館さんに今年もお世話になる。ちょっとお部屋やベッドが狭いけど、お値段からすれば必要にして十分なクオリティーのお宿です。トイレ、お風呂は各部屋にはないけど、大浴場があるので、自分的には〇なのです。お宿は素泊まりなので、入浴後は一人前夜祭に出発。近所を食べログで調べると、居酒屋・天という店の評判が良い。宿からは数分で到着。入り口は怪しいが、料理もおいしくて良い店でした。ぼちぼち飲んで、駅前の頓珍館さんのラーメンで〆。久しぶりにおなか一杯食べた気がする。明日は早起きなので、10時にはお休みです。

レース当日、4時半には起床し、宿から大会用の駐車場に移動する。そこで、当日合流の仲間と待ち合わせ。ゼッケン等大会グッズを渡し、朝食をとる。会場は駐車場の目の前なので、のんびり準備し、開会式前に荷物を預ける。合同庁舎の広い駐車場にパラパラと自転車が集まり始め、開会式が始まる。駐車場が広いせいもあり、参加者がとても少なく見える。

fr002開会式が終わると、カテゴリーごとにスタート地点へと移動する。稲刈り前の田んぼは黄金色、その中をカラフルな自転車が走っていく。蓼科スカイラインの入り口がヒルクライムのスタート地点になっている。参加人数も少ないので、さほど待たずにスタートできそうだ。待ってる間にエナジーゼリーを2つ食べておく。私の場合、タンクが小さく燃費も悪いので、ガス欠対策である。

いよいよチャンピオンクラスからスタート! あれ?続々スタートしてる? なるほど、チャンピオンクラスが少ないので、後のクラスと同時スタートになったと思われる。7時45分には私のクラスもスタート!最初に待ち受ける急勾配も、たいして苦にならないのは、美し、乗鞍とヒルクライムばかりやってきた賜物か?まあ、ペースは遅いんだけど。

なかなか体が温まらないのはいつものことなので、ぼちぼち上って行く。それでも試走の時よりは調子が良く、足もよく回る。第1ASまでは、なかなかいいペースだ。参加者が少ないので、水をもらうのも楽ちんだ。乗鞍の時は、ペースの速い集団に遮られて、水をもらえないこともあった。まあ、競技なのだからそれも仕方ない。

第2ASまでは緩やかな上りが続く、比較的楽な区間。ここで少しペースを上げられれば、後が楽になるので、ちょいと頑張ってみる。ここまでの調子は良い。第二チェックでも水をもらおうと減速すると、何と!ペットボトル丸ごと1本を差し出している!仕方がないので、受け取り、2口ほど飲んで、「ごめんね、返す!」と言って、先にいるスタッフに手渡す。少し走ると、別のスタッフの男性がボトルを拾い集めていた。「ご苦労さん!ちょっと多かったね!」と言うと、笑ってた。

第3ASまでも、同じようなだらだらとした上り。景色は変わらず、淡々と上る。また水をもらおうとすると、今度は普通に紙コップ? ま、いっか、と受け取ると、微妙に甘い。味は薄いけどポカリかな?頭からかぶらなくて良かった!

さて、ここからが正念場。突然、彼方まで伸びる激坂が出現し、足を削られ、いつも急速にペースダウンしてしまうところ。でも、今日は調子がいい。踏み込みは弱いながらも、結構踏んでいける。程なくして、後方から仲間の女性が上がってきた。実は、いつ抜かれるかと思っていたのだが、思ったより遅かった。ということは、いつもより私のペースは速いらしい。

残りは3キロ余り、まだ足に燃料はあるようだ。前方には仲間の女性がまだ見えている。このままついていけるのか?仙境都市に入ると、ゴールはもう少し。ない力を振り絞る!ゴール直前で「小径車ではトップだよ!」と声援を受ける。確かにトップだろう。私しかいないからね!!「飾りっ気のない緑の線」を踏んでゴールする。何とか走り切り、目標である未回収も達成できた。やれやれである。

ゴール奥の待機スペースでは、トン汁やおにぎり、プルーンなどが振る舞われている。競技終了後の下山は去年と同じだが、きちんとゴールした今年は、気持ちが全く違う。ありがたく、ご相伴にあづかった。程なくして、もう一人の仲間もゴールし、3人とも完走することができた。本当にうれしい。タイムも、手元の時計で2時間10分台である。試走のタイムを大きく更新することができ、目標までは程遠いながらも、確実に進歩しているのを実感できた。

参加者が全員揃うと、何回かに分けての下山が始まる。我々は、ほぼ最終のグループで下山する。私の乗る小径車の下りは、慣れていても本当に怖いし、ものすごく気を使う。それでも、今年はなんだか気分がいい。のんびりとスタート会場まで走り、表彰式と閉会式が行われた。表彰式での、チャンピオンクラスのタイムを聞くと、あれ?去年よりずいぶん遅い。その他のクラスでも、チャンピオンクラスより速い人もいるけど、去年のタイムとはぜんぜん違う気がする。帰ってから、去年のリザルトと見比べると…ありゃ?去年のチャンピオン、誰もいない… うーん、大会に魅力がないのかなー。やっぱり、ハイブリッ子ちゃんが来ないからか? それでもトップは、私の半分の速度で上がってしまうんですけどね。そういえば、去年グダグダだった「お楽しみ抽選会」も、今年はなかったなあ。

では、今年もびりっかすに近い私が、上から目線で寸評を書こうと思います。2回目ということもあり、主催者側のオペレーションは向上している印象を受けました。参加人数も減ったので、その分ゆとりができたのかもしれませんが、全てスムーズでした。事前にWEB上から見られる駐車場マップもわかりやすく、同じものが大会パンフと一緒に同封されていたので、助かりました。

レース中の進行もおおむね良好でしたが、なぜかエイドステーションによって、ドリンクの提供の仕方が違うのは、あまりよろしくない。500ミリのペットボトルには、苦笑いしてしまいましたね。去年苦しめられた足切りタイムは、今年は改善されていて、30分以上のゆとりがあったようです。せっかくのイベントなのに、護送車(回収車)に乗せられるのは本当に気分が悪いですから。あと、せめてスタッフTシャツを作って、全員着用してほしいですね、ほとんどのスタッフが、「普段の仕事着」でしたので、すごく事務的に見えてしまいました。

しかし、去年と比べての参加者の少なさは、わかってはいたけど、とても残念だ。「わかってはいた」というのは、去年のヒルクライム佐久のエントリー終了日が、乗鞍ヒルクライムの当日であったということに起因する。つまり、天候不順によりショートコースでの開催となってしまったことを受け、不完全燃焼の参加者たちが佐久のエントリー最終日に集まったらしいのだ。初開催ながら、そこそこ盛況だった去年のヒルクライム佐久には、そんな幸運もあった。

そして、今年の参加者減少には、他にも理由があったのではないかと思うのです。同じ日に佐久市内で、「ツール・ド・望月サイクリング世界大会」、というイベントが開催されていたのだ。←これは帰ってから知りました。こっちの方はお気軽サイクルイベントで、1日イベントだから参加費も半分。募集定員は111名と少ないながらも、GOKISOの森本さん、悪魔おじさんも来てる! こりゃあ、色気のないヒルクライム佐久は分が悪い。しかし何で、同じ日にやっちゃったのかねー? 主催団体が違うのはわかるけど、同じ佐久市内でのイベントなんだから、その辺はきちんと「すり合わせ」をしておいてもらいたかった。

開会式で、市長さんが「来年もやります!」的なことを言ってたような気もします。せっかくやるのでしたら、他のイベントとの兼ね合いや、ヒルクライム佐久ならではの何か、なども考えていかないと、イベントとしての未来はないと思います。第一回から参加している選手が、「毎年寂しくなるな」と思わないようにしてほしいですね。

個人的には応援している、「ヒルクライム佐久」。出るにしろ出ないにしろ、また来年に向けて練習です!

 

 

 


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