なぜか、「ツールド」を冠する美ヶ原のイベントレース。試走して確信した。このイベントは、「ヒルクライム」だ。
毎年、乗鞍仲間が複数エントリーする「ツールド美ヶ原」。ゴール付近の絶景とは裏腹に、激坂に始まり、激坂に終わる地獄のイベントらしい。恐ろしや…今週末には本番が迫っている。
試走に行ったのは、5月20日。翌日から滋賀での「大人の合宿2015」に参加するので、ちょっと寄り道して走ってみることにした。松本市内外れの市営野球場に車を止め、自転車を組む。
今回の相棒は、MTB。もちろん本番も、この自転車で走る。毎年、乗鞍にも使っているMTBだが、今年は少しヒルクライムに特化したモディファイを暫定的に施している。一つは、接地面積の少ない特殊形状タイヤへの換装である。この、パナレーサーのRiBMo PTはMTBを街乗り快速使用に変更するためのタイヤだが、ちょっと変わった形状をしている。必要以上に接地面積が狭い。その割にタイヤのハイトは高いので、高圧にしても乗り心地はあまり変わらない。もう一つは、下向きステムへの変更。これにより、ハンドルの高さを4センチ近く下げることができる。MTBはどうしてもハンドルが高くセットされてしまうので、急な登りではフロントが浮いてしまう。これは、競技中にはかなりのストレスになるので、以前から対策したかったことの一つ。ただし、オフセット量が変わるので、ステアリングがクイックになりすぎるという弊害もある。
自転車を組むといっても、前輪を付けるだけなので簡単だ。前後ディスクブレーキであるので、当たりの確認をして完成。このコースは初めて走るので、道もわからない。アイフォンの地図を見ながら走り出す。温泉街を抜けると、いきなりの急勾配が始まる。「なるほど、こりゃきつい!」とつぶやきながら、きりきり上る。激坂区間は3キロくらいか?そのあとは美鈴湖沿いを緩やかに走る。そして、また上る。きつい勾配の後には、緩やかな区間があり、いくらか脚を休めることができるのだが、その繰り返しが体力を削っていく。美鈴湖のまわり以外は、これと言って景色が良いところはなく、林の中を黙々と上って行く。
今回の試走の目標は、ノンストップで走りきること。実は、乗鞍でも佐久でも、一回も足を付かずに上れたことはない。威張って言うことではないが… しかも、コース的には今までで一番きついかもしれない。行程の半分を過ぎたあたりから、お尻が痛くなってきた。そういえば、今回は皮サドルではない!しかもサドルの前後位置がいつもと違い、だいぶ後ろにセットしてしまったらしい。単純な確認ミスであるが、ノンストップ縛りのため停止はできない。勾配が緩いところでは、おしりをずらして回復を図りつつの走りは骨が折れる。
ペースは相当に遅いが、なんとか走り続けることはできる。残り3キロほどになったところで、突然視界が開け、辺りは高原の様相に変わる。ここから下って、上り返したところがゴールのようだ。下ってからの上り返しは相当に堪えるが、なんとかノンストップで走り切った。高原の風は心地よいが、すぐに寒さが襲ってくる。レストハウスで温かいコーヒーを購入し、一息ついてから下った。
今回は燃料切れ(ハンガーノック)にはならなかったが、途中補給したスポーツゼリーをあと2つくらいは持参するようだろう。さて、今週末はどうなることやら。まあ、なるようにしかなりませんので、楽しむことにしましょう!
キカイとごはんと猫が好き。