去年の夏に、松本の時計屋さんで購入したENICARの時計。ずっと飾ってあったのだが、こないだちょっと外出するのに使ってみた。手巻きを使うのは久しぶりだ。竜頭を数回巻くと針が動き始めるが、この時計、何しろ竜頭が小さく巻きずらい。純正ではなく汎用の竜頭だから仕方ないので、頑張って巻く。
耳に近づけると、ロービートの響きが、なんとも心地よいではないか。どれだけのオーナーの元を経てきたのか、何年あのお店で休んでたのか、知るすべもないが、そんなことに思いをはせるのも、アンティークの楽しみだ。
帰ってきてから時間を見る。おや?ほとんど狂ってないな。それから数日間、朝起きたら竜頭を巻く作業を繰り返す。特に身に着けたりはしない。時計の油は、人の体温で最適な精度が出るようになっているので、この条件はきついはず。
その結果がこの写真。電波時計との勝負も、なかなかの善戦である。もともと、ハック機能もないので、秒までは合わせてなかったのだが、この結果には驚いた。「エニカの機械はいいですよ」、店主の言葉を思い出す。これだから、アンティーク趣味はやめられない。
キカイとごはんと猫が好き。