サウンドトラックである。今や、死語となりつつあることばである。ビデオやDVD,ましてやブルーレイなど、もちろんない時代のお話。
かつては、映画が公開されると、それと前後してサウンドトラックと呼ばれるレコードが発売された。読んで字のごとく、映画の主題歌や挿入歌、BGM、効果音などが入っているだけのレコード。映画を見た後に聴けば、映画のシーンが邂逅され、感動がよみがえることだろう!….だろう? すいません、映画のサウンドトラックを買った事がないんです。映画もほとんど見ない人でしたので… ですから、映画鑑賞とサウンドトラックの鑑賞を、セットで楽しんだことはないんです。
で、このレコード、”幻魔大戦サウンドトラック”のこと。幻魔大戦は1983年に公開されたアニメーション映画。原作者の中には、石の森正太郎の名があり、音楽監督にキースエマーソンを迎え、当時はかなり話題になったと記憶している。私はテレビで何回か見たことがあるが、SF好きにはなかなかの作品に写る反面、当時はアニメーション映画の市民権は低く、かなりはしょったストーリー展開もあいまって、評価はあまり高くなかったようです。
私がこのレコードを手に入れたのは、ELP(エマーソンレイクアンドパーマー)のレコードセットを買った時に関連品として入っていたというわけ。内容は、まあ、推して知るべしで、ほんとに何のひねりもなく、淡々と映画中の音楽が流れるだけである。映画自体も、映画館で見たわけではないので、何かが呼び起こされることもない。その原因のひとつは、カッティングの悪さである。ともかく、音が悪い。レンジも狭く臨場感のかけらもない音。売りである、キースエマーソンのキーボードも、全く前に出てこない。キースに失礼である!とてもい加減な音にちょっとがっかりだった。捨てはしないけど、お蔵入りは決定です。
キカイとごはんと猫が好き。