今回のカラクルを使っての乗鞍練習。フォールディングバイクであるカラクルは、そもそも乗鞍などのヒルクライムには向きません。でも、洒落とはいえ乗鞍に上るのですから、少しでも楽に坂を上れるように、手を入れてます。
まず、最大の問題はギヤ比です。チェーンリングは、カラクルノーマル53T,私のカラクル55T…無理ですわ。和田峠でも押したくらいですからね。ダブル化は構造的に無理なので、小さくします。DAHONに使ってたカーボンクランクのインナーが39Tなのでこれを使います。通常のアウターの位置に付けてしまうと、チェーンラインがロー側で苦しくなるので、通常のインナーの位置に付けます。
フォールディングバイクはクランクとフリーの距離が近く、チェーンラインが長く取れないので、チェーンのたわみで、きついチェーンラインをいなすことができません。DAHONのダブル化の時も苦労しましたが、前後ギヤの組み合わせと、チェーンラインには制限が多いのです。今回も、このままでは見た目が悪いので、アウター位置にバッシュガードを付けると盛大にチェーンが当たります。しょうがないので、カラーを作ってバッシュガードを浮かせます。これでOK、なんちゃってダブル仕様の完成です。
フリーのロー側は最初から34Tを奢っているので、これによりギヤ比は約1.15となり、足さえ回れば何とかなりそうである。
本来ならタイヤなども、細くて軽量なものに替えたいところだが、今回は保留。下りのこともあるので、太いタイヤのほうが良いだろう。チープなブレーキの助けにもなるし。サスペンションのエアだけは少し足しておいた。
実際にこの仕様で上ってみると、意外に楽である。同じケイデンスでも、DAHONより前に進む感が強い。フォールディングバイク特有の、各部のしなりによる、トルクの損失が少ないようなのだ。この点は、元機械加工屋の相方と喧々諤々、おそらくは複数の溶接構造を持つクランク部のフレームピースの合成が高いためであろうと結論。折りたたみ部分のオフセット構造なども強度に一役買っていそうだ。
とまあ、メリットもあれば、やりすぎな構造によるちょっとしたマイナスポイントもある。それがこの、マグネットキャッチ。フレームを折りたたむときに、磁力締結する機構だが、DAHONなどに使っているものとはわけが違う。私のDAHONもそうなのだが、展開するときに、キャッチの磁力が強すぎて困るのだ。カラクルのそれは、美しい削り出しパーツで構成され、なんと解除用のレバー付き!この部分の原価は相当高い。そして、このマグネットが、下りでカタカタうるさいのだ。先日の和田峠の下りで異音に気付き、自転車を降りて確認してしまった。そこで、私のカラクルは対策済み。ちょっと大き目の熱収縮チューブを輪切りにして、マグネットにかぶせ、ライターで炙って完了。乗鞍の下りでもカタカタいわなかった。
乗鞍の長い下りでも、カラクルの安定感はまずまずで、やはり意外に安定志向。あくまで、他のフォールディングに比べての話ではあるが。いずれにしても、乗鞍のような長い下りは、ロードでもフォールディングでも、スピードは控えめにしたほうが良い。
キカイとごはんと猫が好き。