プラグが付いていないバイクというのは、ほとんどありません。そして、ライフは比較的長いですが、定期交換部品です。お客様には、「プラグは何万キロで交換すればいいのですか?」と聞かれることがあります。プラグのメーカーは2万キロごと、種類によってはそれ以下の距離での交換を推奨しています。正直、その距離で交換するのは理想ではありますが、2万キロで交換が必要なほど痛んでしまうわけではありません。
ひとつ、交換の目安として考えていただきたいのは、所有しているバイク(車)のコンディションです。例えば、新車で購入したものであれば、数万キロの使用でも特に不具合は出ないと思います。
私の経験からすると、新車から3万キロを走った車のプラグを外しても、若干磨耗が見受けられる程度です。そのまま使用しても、まず問題はないと思われます。だいたい軽自動車で8万キロくらい、普通車で10万キロくらい走行したプラグはかなり磨耗しており、プラグギャップも倍くらいになっているものもあります。そういった車は、ほとんどがアイドリング不調や、加速性能悪化、燃費の低下などの症状が出ています。もちろん早急な交換が必要です。
中古車でバイクや車を購入された場合、最初にプラグの状態を確認しておくのがいいかもしれません。ギャップだけでなく、焼け方も確認すれば、燃料系統やエンジン本体のダメージなども類推することができます。
また、外したプラグが少々黒くなっているからといって、ワイヤーブラシなどでこすってはいけません。表面に細かな傷が着いてしまい、正常な発火を妨げることになるからです。ブレーキクリーナーをかけて歯ブラシでこするくらいにしてください。
プラグの取り外しに関しては、特に空冷バイクの場合は注意が必要です。写真のようにプラグホールの周りに細かい砂がたまっていることがあります。このまま、プラグを外してしまうと、恐ろしいことが起こってしまうのは想像に難くないでしょう。必ずエアブローをしてから、適正な工具で取り外すことが必要です。エアがない場合は、自転車のポンプやブレーキクリーナーなどで掃除するのも良いでしょう。