粗悪バッテリーの恐怖

格安で手に入る粗悪バッテリーが引き起こすトラブルをたくさん見てきましたが、今回のはかなり良くないケース。今までは、単なる「突然死」だけだったのでバイク本体にはダメージはなかったのですが…

いつもお世話になっているラーメン屋さんの出前バイク(カブ90)が調子が悪いと言うことで、修理以来を受け、チェックを始める。エンジンはかかるが少しすると止まってしまう。症状は出たり出なかったりで、トラブル部位の特定ができない。プラグ、キャップ、キャブ、エアクリーナ、マニホールド界隈から先にチェックを始めるが問題はない。

次にサイドカバーを開け、バッテリーを見てみる。おや?何だこの白いバッテリーは?明らかにウチで付けた物ではない。引っ張り出してみると…

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これが問題のカブ90のバッテリー。見事に膨らんでます。さらに、横に入っているバッテリーからレギュレーターに向かうハーネスが溶けている!マイナスケーブルの芯線がむき出しで切れそうだ。おそらく、バッテリーの膨張時の高熱でやられたのだろう。ひどい場合には発火することもあるから、エンジンが止まってくれてむしろ良かったとも言える。これでも、電圧は正常で機能してるからたちが悪い。

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しかし困った。メインハーネスはとても高価で、交換にもかなりの時間を要するから工賃も高くなってしまう。しょうがない、直すか!

レグシールド、シート、タンクと外して行き、フレームの隙間からハーネスを引きずり出す。焼けただれたハーネスを分離しダメージを確認。修復不能な部分はまとめて新作する。これでも、けっこうな時間がかかるが、メインハーネス交換よりはましである。もちろん、バッテリーは国産に交換して修理完了。



焼き付き

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最近は2サイクルのバイクもめっきり減って、エンジンの「焼き付き」や「抱き付き」の修理なんてことも少なくなってきました。

写真はジャイロXのピストン。焼き付きと言えば焼き付きなのですが、ピストンピンのサークリップが折れてシリンダー内を引きずったというまれなケース。このジャイロXは1988年に発売されたモスグリーンの初期型。この車両の人生において、おそらく最初で最後の焼き付きでしょう。純正部品はすでに廃番なので、社外品のシリンダーとピストンに交換しました。社外品は仕上げが悪く、ちょっとしたバリで寿命を短くしてしまうこともあるので、オイルストーン片手にかなり慎重にラップして組みました。

この車両がこのあとどれだけ走れるかは、きちんと慣らし運転をして、ちゃんとしたオイルでも入れ続けてくれれば、だいぶ違うんだけどなー。ちゃんと乗ってくれる人じゃないんだよなー(泣)。