柄が付いてるものを全てドライバーというなら、相当な数になると思いますが、今回は通常のドライバーの亜種の話。 続きを読む
■マイナスドライバー
ブラスがあればマイナスもあるわけで、マイナスドライバーのお話です。かつて、プラスネジが発明される以前は多くの場所でマイナスネジが使われてきました。戦前の車など、物凄く古い車や機械はマイナスネジだらけです(扱ったことはありませんがね…)。 続きを読む
■プラスドライバー
車でもバイクでも、よく使う工具であるプラスドライバー。あまり大きな締め付けトルクを必要としない場所に使われている、プラスねじに使う工具です。
バイクでは、マスターシリンダーのふたや、キャブ関係、外装の固定などに使われています。プラスのねじには大きさがあり、それに応じてドライバーも適切なサイズを選ばなければなりません。一番使うのが2番と言われる物で、先端がごく一般的なサイズのドライバーです。写真は私の工具箱に入っているプラスドライバーの一部ですが、よく使う2番のドライバーは長さ、角度などが異なるものが複数入ってます。以前も書きましたが、その中でも貫通タイプのドライバーは消耗品で、数年に一回交換しています。
私はあまり工具にこだわりはありませんが、トルクがかけやすく作業ミスの少ないWeraのドライバーが最大勢力になってます。国産では、VESSELのドライバーなどは使いやすいですね。プラスねじは、ねじの頭にダメージを受けていたり、必要以上のトルクでしまっているものもあるので良質な工具は欠かせないのです。
モンキーレンチ
幅がアジャストできて便利な工具、モンキーレンチ。よく車屋さんや整備工場の看板にも描かれている工具でもありますね。でも、一番使わない工具ですね、これは。まあ、工具を全く持っていない人が、「これなら何でも回せるじゃん!」って買ってしまうかもしれません。ダメです。買ってもいいけど、使わないでくださいね。ボルトやナットの頭を壊してしまうと、あとで整備する人が大変ですから。そうなんです。安いモンキーはガタがすごいので、ボルトやナットをなめてしまうことが多々あるのです。
でも、まともなモンキーもありますよ。整備士の工具に入ってるモンキーはほとんどこれでしょう。”BAHCO”ですね。とても頑丈で、ジョーの部分のガタも極小ですので、どうしてもサイズが合わないボルトやナットを緩めるときにやむなく使います。やむなくです。そして、けっこうお高い工具です。写真一番上は私が所有する一番古いモンキーレンチで、当時諭吉さんお一人では買えませんでした。一番下のモンキーは、ジョーを左右入れ替えて、パイプレンチのようにも使えます。
私はBAHCOの工具は好きなので、いろいろ所有していますが、やっぱりモンキーはほとんど使いません。
プラスねじをなめずに外す方法
皆さんが最も気軽に外そうとして失敗してしまうのが、このプラススクリューではないでしょうか?記憶にある方が多いのではないかと思います。このマスターカップのプラススクリューは、もともとそれほど強いトルク」でしまっているわけではありません。
中に入っているブレーキフルードが水分を取り込み変質したものが、スクリューの周りに付着したり、スクリュー自体がさびたりして外れにくくなるためです。
このスクリューを確実に外すには、まずは良い工具が必要です。車載工具や、家にたまたまあったメーカーもわからないようなドライバーでは、確実にスクリューの頭を破損してしまいます。
用意するものは、きちんとしたメーカーの貫通ドライバーと、小さめのハンマーです。作業の要領としては、「ドライバーを確実にねじに差込み、片手できちんと押さえ、ハンマーを打ち下ろした瞬間に、ドライバーを左にねじる」です。要は「手動インパクトドライバー」なのです。マスターカップのような小さなスクリューでしたら、この方法でほぼ確実にまわすことができます。「小さめのハンマー」と指定したのは、大きなハンマーで叩くと、スクリュー自体を砕いてしまったり、空振りして、余計な損害が発生してしまったりすることを防ぐためです。
この方法は、やはりなめやすいプラスねじでとまったクラッチカバーの取り外しなどにも、効果を発揮します。こつをつかむと、いろいろなことに応用が利きますのでお試しください。
と、簡単そうに書きましたが、不器用に自信がある方は…プロに任せることをお勧めいたします。