樹脂やガラス部品以外の金属部品が「割れる」トラブルというのは、あまりありません。修理の多い当店でも、数年に1回くらいです。スタータ関係の部品が多いですね。
写真はサベージ650のフライホイール。スタータに噛むリングギヤが欠け、ワンウェイのベアリングが割れています。「セルが回らなくなった」ということで入庫しました。厄介なのはギヤが欠けてしまうことで、欠けた破片を全て回収しなければ新しい部品を組めないのです。わずかは破片でも残してしまうと2次トラブルを引き起こすことになります。
こちらはギアそのものが、バックり割れた症例です。セローのクラッチバスケット根元のドライブギアです。たまにはセルではなく、キック始動しようと思ったら噛んでしまい、セル始動もできなくなった症例です。
こういったトラブルは、距離を走った車体に多い症状です。バイクのスタータ機構は、複雑なギアの噛み合わせと、ワンウェイクラッチにより構成されたものが多く見られます。距離を走ると、各ギアや軸受け部などが摩耗してガタが多くなることにより、破損や作動不良を起こすようです。
こういったトラブルは予防的な修理をすることはあまり現実的ではありません。そこそこの部品代と工賃のかかる作業ですので、「ちょっとおかしいな?」と思ったらすぐにバイクショップに相談した方が良いと思います。