私が複数所有するバイクの中で、唯一のアメリカンがこのビラーゴ400、今年で33年が経過した。新車から乗ってきた友人からの譲渡車両なので、ある程度の整備状況は把握している。 続きを読む
■マイナスドライバー
ブラスがあればマイナスもあるわけで、マイナスドライバーのお話です。かつて、プラスネジが発明される以前は多くの場所でマイナスネジが使われてきました。戦前の車など、物凄く古い車や機械はマイナスネジだらけです(扱ったことはありませんがね…)。 続きを読む
■プラスドライバー
車でもバイクでも、よく使う工具であるプラスドライバー。あまり大きな締め付けトルクを必要としない場所に使われている、プラスねじに使う工具です。
バイクでは、マスターシリンダーのふたや、キャブ関係、外装の固定などに使われています。プラスのねじには大きさがあり、それに応じてドライバーも適切なサイズを選ばなければなりません。一番使うのが2番と言われる物で、先端がごく一般的なサイズのドライバーです。写真は私の工具箱に入っているプラスドライバーの一部ですが、よく使う2番のドライバーは長さ、角度などが異なるものが複数入ってます。以前も書きましたが、その中でも貫通タイプのドライバーは消耗品で、数年に一回交換しています。
私はあまり工具にこだわりはありませんが、トルクがかけやすく作業ミスの少ないWeraのドライバーが最大勢力になってます。国産では、VESSELのドライバーなどは使いやすいですね。プラスねじは、ねじの頭にダメージを受けていたり、必要以上のトルクでしまっているものもあるので良質な工具は欠かせないのです。
割れるトラブル
樹脂やガラス部品以外の金属部品が「割れる」トラブルというのは、あまりありません。修理の多い当店でも、数年に1回くらいです。スタータ関係の部品が多いですね。
写真はサベージ650のフライホイール。スタータに噛むリングギヤが欠け、ワンウェイのベアリングが割れています。「セルが回らなくなった」ということで入庫しました。厄介なのはギヤが欠けてしまうことで、欠けた破片を全て回収しなければ新しい部品を組めないのです。わずかは破片でも残してしまうと2次トラブルを引き起こすことになります。
こちらはギアそのものが、バックり割れた症例です。セローのクラッチバスケット根元のドライブギアです。たまにはセルではなく、キック始動しようと思ったら噛んでしまい、セル始動もできなくなった症例です。
こういったトラブルは、距離を走った車体に多い症状です。バイクのスタータ機構は、複雑なギアの噛み合わせと、ワンウェイクラッチにより構成されたものが多く見られます。距離を走ると、各ギアや軸受け部などが摩耗してガタが多くなることにより、破損や作動不良を起こすようです。
こういったトラブルは予防的な修理をすることはあまり現実的ではありません。そこそこの部品代と工賃のかかる作業ですので、「ちょっとおかしいな?」と思ったらすぐにバイクショップに相談した方が良いと思います。