車検制度
私達の生活と車は、いまや切っても切れない関係にあります。その中で、事故や公害を引き起こす原因ともなってしまう車の管理に、国が一定の検査登録の仕組みを設け、円滑な交通社会の実現を目指すしくみが車検制度です。このしくみの中には自賠責保険の確実な加入(これは事故被害者を保護するための最低限の保険制度です)と自動車税と重量税の確実な納付も、その中の大きな目的でもあります。
詳しくはこちらを参照してください。
今までの車検
かつて、車検はディーラーや町の整備工場で行うものと相場が決まっていました。国は車の点検整備に関して「認証工場」や「民間車検場」という認定制度を設け、車検前の整備や車検そのものを民間の工場が行えるようにしたのです。これらの工場は走行距離や車の使用状況にかかわらず、国が定めた24ヶ月(トラックは12ヶ月)点検を必ず実行しなければならず、それが車検代金に反映されていたのです。
当店の車検
当店の車検では24ヶ月点検はいたしません。消耗部品のチェックのみで最寄の陸運支局に車検に持って行きます。車検に通らないトラブルや、通ったとしても使用上危険であるバイクの状態などを確認した場合は、お客様にご連絡してから作業に移るようにしています。(球切れなどの軽微なトラブルは除きます)
ですから、車検終了時に突然高額な請求を申し上げることはありません。
当店の車検は悪く言えば「通すだけ」に聞こえるかもしれません。しかし、私どもエスエスのスタッフは数十年のバイク暦と高い修理技術を持ったプロのバイク乗りです。国産外車問わず長年にわたり整備、所有してきた経験地は膨大なものです。消耗部品以外でも、そのバイクに合った適切なアドバイスができると自負しております。ただし、お客様の使用状況によっては、気が付いたトラブル(あまり危険ではないもの)でもあえて申し上げないこともございます。「中古で買ったけど、そのバイクの現在の状態がどの程度のものなのかプロの意見を聞きたい」と言う場合にはお気軽にスタッフに聞いてみてください。ちょっと辛口なご意見を申し上げるかもしれませんがご容赦くださいね。
完全な車検ってあるのでしょうか?
バイクや車は工業製品です。使っていれば壊れるのは、テレビや洗濯機となんら変わりません。ですから、一旦ユーザーの手に渡り運用が始まれば、嫌がおうにも消耗がはじまります。しかも使用状況は千差万別で、年間1000キロしか走らない人もいれば、数万キロを走ってしまう人もいます。さらに言えば、距離を走らないからと言ってバイクが壊れないとはいえません。むしろ錆の発生やゴム部品、エンジン内部の劣化は、走らなくても確実に進んでいきます。
このように、バイクや車は不確定要素の塊です。ですから、どんな車屋やバイク屋でも車検の時にそのバイクの状態を完全に整備することなどできません。せいぜいできても、向こう2年間消耗部品が消耗しきらないようにする程度です。古い車やバイクであれば、車検の翌日に何かが壊れてしまうことも、十分起こりうるのです。
ではどうすればいいのでしょうか?もし本当に不安であるならば、2年おきに新車に乗り換えるか(現状新車は初回3年車検ですが、全ての消耗部品が3年間持つとは思えませんので)、車検のときに、フレームと外装以外の全ての部品を新品に換えるかしかないと思います。
まあ、そんなことができるわけはないので、現実的な妥協案としては、車検を通しただけで安心してしまうのではなく、ユーザー自身も消耗部品のチェックやちょっとした調子の変化にも気を配ることが必要だと思います。特にロングツーリングをされる方などは、ツーリング先でも日々のチェックを怠らないことが肝心です。そうすることで、起こりうるトラブルを最小限に抑えることができると思います。